僕等はまだ恋を知らない


大好きな大翔くんの声も無視をして、滲む視界で駆け出した。


バシャバシャと水溜りの上を走る。



寒い。



冷たい。



痛い。





取り返しのつかないことをしたんだと、今になって気づく。


もう、大翔くんの顔を真っ直ぐ見れる気がしない。



こんなことになるなら、もっと早くに…………もっと普通に………想いを伝えればよかった。


< 279 / 434 >

この作品をシェア

pagetop