僕等はまだ恋を知らない
体を起こして、その場にペタリと座り直した。
擦りむいた膝から血が滲む。
こんな傷よりもっと。
心が痛い。
届かないとはっきりわかった現実をどう受け入れたらいいかわからない。
全部、全部。
ぐちゃぐちゃになっちゃった。
「大翔くん………」
冷たい雨に打たれながら、はっきりとこぼれ落ちる涙に気づいた。
私の恋も雨みたいに流れて消えてくれたらいいのに。
どうしたらいいのかわからないよ。
こんなに、君が好きなのに。