僕等はまだ恋を知らない


荒い呼吸とフラつく足元。


壁を頼りに廊下を歩くのも一苦労。


体は熱いのに、どことなく寒気もして嫌な気分。




いつもならこんな時…………大翔くんと澪が側にいてくれた。


私が苦しい時。

大翔くんや澪が苦しい時。



いつも、近くに居たのに。


隣を見ても誰もいなくて、手を伸ばしても何もない。


つかめない空気に触れるだけ。


ひとりぼっちって、こんなに辛いんだ。


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