僕等はまだ恋を知らない
せっかく迎えに来てくれた九条くんに、こんな酷いことしか言えない。
次に起きたら、落ち着いて考えられるなんて嘘。
1度狂った頭はやっぱり元に戻らない。
最低な私には1人ぼっちがお似合いだ。
「あのね、私……………」
「倉橋なんて関係ねぇよ」
「へ……」
お構いなしに言葉を遮って、九条くんは小さな声で呟いた。
「俺はお前が心配だからここに来た。ただ、それだけだ」
その言葉を聞いた途端、私中の何かが溢れた気がした。