僕等はまだ恋を知らない
*
「九条くん、おはよう!」
「朝から声でけぇな」
「えー?そんなことないよ」
いつも、通り?
既に教室に居た九条くんにいつも通りに挨拶をする沙耶。
九条くんも別に変なところなんてない。
「倉橋、お前なんで昨日来なかったんだよ」
「えっ!?あー……っと……用事思い出して」
「連絡くらいしろよな」
「ご、ごめん」
さっき1度した話なら、なんとか誤魔化せた。
きっとこんな理由じゃ納得しないかもしれないけど、言ったことに意味がある。