僕等はまだ恋を知らない
いつか崩れてしまうなら、自分から壊したって構わない
放課後を告げるチャイムが鳴ると同時に、鞄を肩に掛けた。
人気の少ない教室で「ふぅ…」と息がもれる。
早く帰って早く休みたい。
今の私の考えはこれだけ。
休み時間も、お昼の時も、なんの変わりもない2人にイライラしてしまっていた。
告白した次の日なのに、なんであんなに普通に笑っていられるのか私にはわからない。
そんな2人に昨日のことを聞くに聞けなくて、ついには放課後になってしまった。
大翔と沙耶は部活があるし、九条くんは1人ですぐに帰っちゃう。
だから誰にも邪魔されることもなく、1人でゆっくりと帰れるなんて思っていたら。
「澪!一緒に帰ろう」
聞き慣れた声が私の後ろから飛んできた。