僕等はまだ恋を知らない
「ーーー………澪はさ九条くんのこと、好き?」
「っえ!?」
あまりの突然の質問に飲んでいたミルクティーを吹き出しそうになった。
ゲホゲホと咳き込みながら、辛うじて出る声で。
「突然なに!?」
と言い返した。
「好きかどうか聞いてるの」
「そりゃあ、好きだよ。大切な友達だし………」
「ねぇ、澪」
ピタリと歩く足を止め、私の瞳と重なる。
逸らせないほど強い意志がこもった眼差しに、思わず息を飲んだ。