僕等はまだ恋を知らない


別に隠しているわけじゃないのに。

九条くんを好きなことくらい、沙耶に伝えたって構わない。


でも、それでも………沙耶がなんて言うのか不安でたまらないの。


固まったままの私を見て、ついに疲れたのか。


「わかった、質問変えるね」

ニコッと笑いながらそう言った。


その笑みが強くなって、自然と肩が震える。


沙耶って、いつからこんなに真剣な瞳で私を見るようになったんだろう。




「澪はさ、大翔くんと九条くんのどっちを選ぶの?」



< 338 / 434 >

この作品をシェア

pagetop