僕等はまだ恋を知らない


ずっと、ずっと、一緒に時を過ごしてきた親友から言われた言葉。

目の前が真っ暗になって息をするのも辛い。




沙耶に、嫌われた。




「…………っ……あっ……」


飲みかけのミルクティーが地面に落ちた時には、中身が溢れて弾けていた。


沙耶の空っぽの缶と、中身が溢れた私の缶。


夢なら覚めて。

今からでもいい、冗談だって笑ってよ。


ほんの僅かな希望を込めて頬をつねってみても、やっぱり痛い。


これは現実なんだと思い知らされる。


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