僕等はまだ恋を知らない
「誰か………教えてよっ………!!」
答えを求めて叫んでも、誰にも届くはずはなくて。
風と共に吹き抜けた。
沙耶。
もう一緒に居られないの?
あの日、あの時、一緒に笑い合ったあの時間が全部嘘だったなんて信じたくないよ。
こんな時に思い出すのは、沙耶と過ごした日々のこと。
楽しかったなんて笑えない。
全てが色褪せて壊れてしまった。
私たちの友情はこんなに脆くて、儚かったんだ。
だったら、最初から笑い合ってほしくなかったよ。
本当のことを知った今、私はただ泣くことしかできなかった。