僕等はまだ恋を知らない


みんなで過ごした中庭。

2人ずつ行く購買。

それに教室。



「なんで…….居ないの……」


行ったことがある場所に行っても、誰1人見つけることができなかった。


まるで私から逃げてるみたい………。


歩き疲れても教室で休むことはできなくて、人が居ない場所に行こうと思えばあそこしか思いつかない。



カチャリとドアノブを回すと、鈍い音がする。


「開いてるんだ………」



そのままサビついたドアをグッと押せば、さっきまで見ていた青空がそこにあった。


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