僕等はまだ恋を知らない
今を逃してしまったらまた私は元の生活に戻ってしまう。
居心地がいいからってぬるま湯に浸かった生活なんてもう勘弁。
懐かしかったあの日々を取り戻したいの。
もちろんすぐにとは言わない。
少しずつまた沙耶と親友になれたらいいなって。
ちゃんと沙耶と向き合って、真実なら受け止める。
「大丈夫……」
ようやく目前に迫った途端、体がガクガクと震え始めてきた。
落ち着かせようと吐いた言葉にもあまり効果がない。
震えたまま沙耶に会ったらびっくりさせちゃうかな。