僕等はまだ恋を知らない


「くそっ……なんで俺がこんなこと…………」


ぶつぶつと文句を言いながらも、パチンパチンとホッチキスの音がよく響いている。


手伝ってあげたいけど……今九条くんに会うわけにはいかない。


「ったく、倉橋のやつ絶対許さねぇ」


え、私………?

まさか九条くんの口から私の名前が出てくるなんて思いもしなかった。

もしかして告白したこと怒ってるとか!?


「あいつがあんなこと言ったせいで……」


あぁ……やっぱり。


今思えば、なんであんな恥ずかしいことしちゃったんだろう。

勢いとはいえ、九条くんに好きって……………。


思い出しただけでも顔から火が出そう。


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