僕等はまだ恋を知らない


「あぁ、もう!集中できねぇ!!!!」


ダンッ!と叩いた机から数枚のプリントが宙へと投げ出された。

ひぇえええ、すっごい機嫌悪そう。



「……………告白逃げなんて許さねぇぞ、バカ」



………なんとなくわかってしまった。

九条くんが5時間目の授業に出なかったのはやっぱり私のせい。


告白なんか急にしちゃうから困らせちゃったんだ。

そりゃそうだよね。


九条くんには好きな人が居て、私はただの友達なわけで。


受け止められない想いを背負わせちゃったんだ。


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