僕等はまだ恋を知らない


「澪っ………!?」


さすが沙耶。

声だけで私だとわかったらしい。


こちらを振り向くより前に、名前を呼んでくれた。

沙耶ったら、期待させないでよね………。


「久しぶりだね」


沙耶に会うのは何週間ぶりだろう。

毎日のように会っていたせいで、久しぶりだと少し緊張する。


「どうしてここに……」


驚きを隠せない沙耶に対して、


「沙耶に会いに来たの」


なんて余裕の笑顔で答えた。


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