僕等はまだ恋を知らない


海より青く、空より澄んだ瞳と目が合った。


光を浴びてキラキラと輝く髪は、風にふわふわと揺れている。



「制服汚れちまったじゃねーかよ」



わぁ……目の中に海があるみたい。


こんなに綺麗な瞳、初めて見た。




ひらり、ひらりと雨のように降る落ち葉。


まるで、私たちの出会いを祝福する紙吹雪みたいだ。



こんな変な出会い方、普通なかなかないよね?


“私たち”の運命を大きく動かす出会いだったなんて、誰が予想できただろうか。



この頃のわたしは、恋さえも知らなかった。



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