僕等はまだ恋を知らない
九条くんに好きな人が………?
やっぱりいるんだ。
九条くんの1番近くにいるのは私だと思ってたのに、全然知らなかったよ。
「その子も九条くんが好きみたいでさ………もしかしたら今すぐにでも告白タイムなんか始まってるかもしれないね」
「こっ、告白!?」
「どうせならさ、九条くんに彼女ができる前に早く伝えに行きなよ」
失恋する覚悟だってあるんだ。
今更、九条くんの想い人が誰だって関係ない。
私の気持ちを知っておいてほしいの。
ずっと九条くんが好きだったって。
今度こそちゃんと伝えたい。
きゅっと赤いリボンを髪の毛に結びつけ、顔をあげた。