僕等はまだ恋を知らない

優しい君はどこまでも強くて眩しい存在

九条くんが私たちの学校に転校して来てから数週間が経った。




ミステリアスヤンキーと変な名前を付けられ、さらに注目を浴びている。




女の子たちに常に囲まれ「うっせぇ近寄るな」と威嚇。



そんな乱暴な言葉は全くの逆効果で、さらに人気が高まるばかり。



今時の子はちょっと危険な香りがする人が好きらしい。



九条くんは女の子たちに囲まれ続ける日々が続き、私と目が合う事はなかった。






あの日の恥ずかしさと申し訳なさは、九条くんが近くにいるかぎる色褪せる事はない。




もう過去の事だし気にしないのが1番かもしれないけど、そう思うたびさらに気になってくる。



それに、まだ九条くんにちゃんと謝れていないのが心残りだったりする。