僕等はまだ恋を知らない
「何も間違ったこと言ってないだろ?」
たしかに九条くんは私が好きで、私は九条くんが好き。
今すぐにでも告白タイムってそういうことだったの!?
沙耶に遊ばれてたんだ。
こうなること全部わかって……。
最後の最後まで意地悪するなんて酷いや。
「そんな素振り1度だって見せたことなかったじゃん……」
どっちかといえば完全にお友達な雰囲気だった。
「なっ……お前は今まで俺のどこを見てたんだよ!」
「へ?どこって………」
「マラソン大会のときは倉橋をよこせって言ったり、一緒に帰ったときは告白だったらよかったとか、散々言ってただろ!?」
たしかにそう言ってたけど………。
「あんなに言っても気づかないとかどんだけ鈍いんだよ……」