僕等はまだ恋を知らない
「もー、直ったら!そんなに毎回怖がらせないでよ」
「あいつが俺のこと変な名前で呼ぶのか悪りぃんだ」
「心狭いなぁ」
直と両想いになれたあの日から数日経つが、未だに私に告白してくる生徒が絶えなかった。
学年が違うと私に彼氏がいるってことがなかなか知れ渡っていないらしい。
告白される場所は決められたように校舎裏ばかりで。
その度にミステリアスヤンキーがどこからか登場してくる。
呼び出されたこと直に言ってないのに、なんでこう毎度毎度気づかれるんだろう。
「澪は俺の彼女だって、校内放送でもしてやろうかな」
「そそそそんなバカなことしないでよ!」
「手っ取り早いと思うけど?」