僕等はまだ恋を知らない


「…………ーーーーこんなところでもイチャついてるのか、バカップル」


「相変わらずラブラブだね。澪と九条くんは」



「「えっ?」」


直の腕から解放され、同時に振り向くと。


「さ、沙耶!?」

「香月まで居んのかよ…………」


やれやれと呆れながら首を振っている沙耶と大翔が立っていた。


「いいいいいつからそこに!?」


「んーっ、「人の彼女に告白してんじゃねぇよ」ってところからかな?」


楽しそうにクスクス笑う沙耶はまるで「いいものが見れた」なんて言いたげだ。


うぅうう……見られてたなんて………。


教室でも直はベッタリだしあんまりいつもと変わらないかもしれないけど、恥ずかしいものは恥ずかしいんだ。


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