僕等はまだ恋を知らない


「えっ、落ち…………」



枝に置いていた足がズルリと滑り、私の体は空中へと放たれた。



ふわふわとする頭の中は何を考えていいのかわからず、真っ白。


ただ、落ちていく感覚だけは体にビシビシ伝わってくる。




反射的に閉じた目には、暗闇しか映らない。



大翔、沙耶っ……………。



ようやく頭の中で浮かんだのは2人の顔。


2人の顔を思い浮かべたまま、衝撃が来るのを待ち構えた。


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