僕等はまだ恋を知らない


手のひらの上には、ピンクの短いリボン。


薄汚れているけど、なんだか見覚えが……………。



ハッと覚めるような感覚がし、耳元付近を触れてみるといつもあるものがないような。



それどころか、髪の毛からもう一本、短いピンクのリボンがスルスルと落ちてきた。





「……………私のリボンじゃん!?」




小さい頃に沙耶から誕生日プレゼントとして貰ったもの。


お気に入りだったからずっと付けてたのに…………。



葉っぱや枝に引っかかって切れてしまったんだろう。

かなりショックだ。



この長さではもう髪に結ぶことができない。


< 65 / 434 >

この作品をシェア

pagetop