僕等はまだ恋を知らない





「ありがとう」



溢れ出ていた涙もいつの間にか枯れていて、自然と笑みが零れた。



まさか沙耶から貰ったプレゼントの代わりが、お菓子についていたリボンだなんて。



可笑しくてつい笑ってしまう。




「さっきまで泣いてたくせに……にやにやしやがって」



「えへへ……」




自分でもかなりげんきんだなって思ったところ。


九条くんの優しさが単純に嬉しかった。







「ほんと、変なやつ」






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