僕等はまだ恋を知らない
第2章
本当は素直になれなかっただけなんだ
「倉橋ー、ついでに俺の飯も買って来て」
「やだよ」
「冷めてぇやつ」
机にぐったりとうつ伏せになる姿は、子どもっぽくて少し笑ってしまいそうになる。
昼休み、いつも居ない九条くんが、今日は珍しく教室に居る。
「行こ、沙耶」
でもそんなうるさい九条くんは無視。
沙耶の腕を引っ張って購買までの廊下を歩く。
メニュー
本当は素直になれなかっただけなんだ