僕等はまだ恋を知らない
肩まで伸びた茶色がかった髪の毛。
左耳側にはピンク色のリボン。
このリボンがないと倉橋澪って感じがしない。
昔、沙耶から貰ったお気に入りなんだ。
「2人とも、そろそろ行かないと遅刻するぞ?」
私と沙耶のやり取りに呆れた顔で大翔が見ていた。
朝っぱらから女の子が抱き合っている姿を見たら、そんな顔にもなるだろう。
でも、こんなのはいつものこと。
「行こう、澪。大翔くん怒っちゃう」
「大翔が怒っても全然怖くないけどね〜」
「全く、調子に乗るな」