僕等はまだ恋を知らない


肩まで伸びた茶色がかった髪の毛。

左耳側にはピンク色のリボン。


このリボンがないと倉橋澪って感じがしない。

昔、沙耶から貰ったお気に入りなんだ。


「2人とも、そろそろ行かないと遅刻するぞ?」


私と沙耶のやり取りに呆れた顔で大翔が見ていた。


朝っぱらから女の子が抱き合っている姿を見たら、そんな顔にもなるだろう。


でも、こんなのはいつものこと。


「行こう、澪。大翔くん怒っちゃう」


「大翔が怒っても全然怖くないけどね〜」


「全く、調子に乗るな」


< 9 / 434 >

この作品をシェア

pagetop