僕等はまだ恋を知らない
質問を投げかけた瞬間、沙耶の顔が少し曇って見えたような気がした。
疲れたのかな………?
ずっと走りっぱなしだもん、ね?
「………大翔くんがあんなに感情的になるのは、澪が絡む時だけだよね」
「そう、かなぁ?」
いつもの優しい沙耶の声じゃない。
ちょっと低くて、寂しそうな声。
「やっぱり大翔くんは澪がいいのかなぁ……………」
「えっと………長いこと一緒に居るから気になるんじゃない?バカなことしてないかな〜とかさ」
ずっと一緒だからこそ、厳しくなるものわかってるつもりだ。
大翔も沙耶と同じくらい優しいのも知ってる。