僕等はまだ恋を知らない
「そ、そんな悩みなんてーーーー……………わっ!?」
焦ったような口調で言っている途中、沙耶の姿が私の視界からパッと消えていった。
その直後、今にも耳が痛くなるような音がする。
「うっ」と思わず目を閉じた。
数秒間の沈黙。
恐る恐る目を開けると、隣に居たはずの沙耶が地面に倒れていた。
「沙耶!?大丈夫!?!?」
沙耶の足元の付近の地面はほんの少しだけ盛り上がり、段差になっている。
どうやらこれにつまずいて転んだみたい。