大っ嫌いだったはずなのに…
「あっ、先生、美里ちゃんが……」
看護士は吸入を美里ちゃんに近づけているけど、美里ちゃんは顔を背けて吸ってくれない
「わかった。
吸入貸して
あと点滴の追加お願い」
「はいっ!」
「美里ちゃん、苦しいよな
これ、吸ったら楽になるから吸おう?」
俺は美里ちゃんに駆け寄って抱っこして
背中をさすりながら吸入を近づけた
「ゴホッ いやっ! ゴホッ」
発作で苦しんでも
吸入を嫌がる美里ちゃん……
可哀想だけど、無理矢理やるしかない
「いい加減にしろ‼
吸わないと苦しいままだよ」
そう言って、美里ちゃんの鼻をつまんで吸入を口に当てる