Memories of Fire
「わかってるよ……だから、ちゃんとやり直しして、マリーと仲直りしたいのに、全然取り合ってもらえなくて……」
「やり直し?」
クラウスはわざとらしく驚いた顔をして肩を竦める。その後、ぼそりと「捨てられてしまえばいいのに」と零した彼は、「付き合っていられません」とこれまた面倒臭そうに言い放ち、議事堂を出て行こうとする。
「やっぱり、馬鹿だな。俺ももう行く。父上の公務に付き合わなきゃいけない。お前も精鋭部隊の訓練にでも混ぜてもらって根性を叩き直したらどうだ?」
「ちょ、クラウス! ヴォルフ!」
エルマーは自分を見捨てていく二人を慌てて追いかける。
「待ってよ、二人とも! ちょっと! そりゃ、俺が悪いのは認めるけど、こんなに落ち込んでる未来の義兄弟を――」
「義兄弟? まさか、この期に及んでまだそんな前向きな思考とは……貴方の頭の中はお花畑か何かでしょうか?」
「花が咲くほど栄養が行っていないだろう、あの頭には」
ひどい。ひどすぎる。
しかし、それに対して自信を持って反論できない自分は、やはりひどい男なのだ。
議事堂を出ると、ヴォルフもクラウスもすでに姿が見えない。
「ひどい……もう少し、優しくしてくれたって……マリー……うぅ……まりぃ」
情けない声でマリーを呼びながら、エルマーはとぼとぼと城へ歩き出した。
「やり直し?」
クラウスはわざとらしく驚いた顔をして肩を竦める。その後、ぼそりと「捨てられてしまえばいいのに」と零した彼は、「付き合っていられません」とこれまた面倒臭そうに言い放ち、議事堂を出て行こうとする。
「やっぱり、馬鹿だな。俺ももう行く。父上の公務に付き合わなきゃいけない。お前も精鋭部隊の訓練にでも混ぜてもらって根性を叩き直したらどうだ?」
「ちょ、クラウス! ヴォルフ!」
エルマーは自分を見捨てていく二人を慌てて追いかける。
「待ってよ、二人とも! ちょっと! そりゃ、俺が悪いのは認めるけど、こんなに落ち込んでる未来の義兄弟を――」
「義兄弟? まさか、この期に及んでまだそんな前向きな思考とは……貴方の頭の中はお花畑か何かでしょうか?」
「花が咲くほど栄養が行っていないだろう、あの頭には」
ひどい。ひどすぎる。
しかし、それに対して自信を持って反論できない自分は、やはりひどい男なのだ。
議事堂を出ると、ヴォルフもクラウスもすでに姿が見えない。
「ひどい……もう少し、優しくしてくれたって……マリー……うぅ……まりぃ」
情けない声でマリーを呼びながら、エルマーはとぼとぼと城へ歩き出した。