Memories of Fire
告白
二日後の夜。
落ち着かない日々は、たった二日でもとても長く感じられた。そして、今日はいよいよジークベルトが帰ってくる。
地方コンサートから帰ってくるだけ――今まで何度もあったことだ。それなのに、とてもドキドキしている。
ジークベルトからハンナと過ごしたいと言ってくれたことに対する嬉しさと、彼の話が何なのかという緊張が混ざっているのだ。
ジークベルトははっきり「お前と結婚する」と言ってくれた。でも、それなら……話したいこととは何なのだろうか。
「ハンナ様」
ハンナがいろいろと考えつつ自室をうろうろしていると、ふいにノックと共に侍女から声がかかる。
世話係の彼女には、ジークベルトが来たら部屋に通すよう言ってあるから、彼もそこにいるだろう。
「ジークベルト様をお連れしました」
「は、入って」
「失礼いたします」
すぐに扉が開き、ジークベルトが侍女に促されて入ってくる。侍女はそのまま扉のところでハンナへお辞儀をして扉を閉めた。
「お、おかえりなさい……」
「ただいま、ハンナ」
白いシャツに黒のズボンとベストという、彼の普段着だ。もっとラフな格好をすればいいと言ったことがあったけれど、これが一番落ち着くと言っていた。真面目なジークベルトらしい。
落ち着かない日々は、たった二日でもとても長く感じられた。そして、今日はいよいよジークベルトが帰ってくる。
地方コンサートから帰ってくるだけ――今まで何度もあったことだ。それなのに、とてもドキドキしている。
ジークベルトからハンナと過ごしたいと言ってくれたことに対する嬉しさと、彼の話が何なのかという緊張が混ざっているのだ。
ジークベルトははっきり「お前と結婚する」と言ってくれた。でも、それなら……話したいこととは何なのだろうか。
「ハンナ様」
ハンナがいろいろと考えつつ自室をうろうろしていると、ふいにノックと共に侍女から声がかかる。
世話係の彼女には、ジークベルトが来たら部屋に通すよう言ってあるから、彼もそこにいるだろう。
「ジークベルト様をお連れしました」
「は、入って」
「失礼いたします」
すぐに扉が開き、ジークベルトが侍女に促されて入ってくる。侍女はそのまま扉のところでハンナへお辞儀をして扉を閉めた。
「お、おかえりなさい……」
「ただいま、ハンナ」
白いシャツに黒のズボンとベストという、彼の普段着だ。もっとラフな格好をすればいいと言ったことがあったけれど、これが一番落ち着くと言っていた。真面目なジークベルトらしい。