ヴァイス・プレジデント番外編
先輩は結局、私の「初めて」にはなってくれなかった。
最初の、あの焼却炉での一件のあと、先輩は何度か一緒に帰ってくれたり、キスをくれたりした。
けれどある日、特に用もなく焼却炉のほうに行ってみると、そこには先輩と、たぶん3年生の女子がいて。
その時、私は残りのふたつの質問を思い出したのだ。
まずはお試しでも、いい?
俺が初めてじゃ、ないよね。
いきなり終わっても、許してくれる?
結局先輩は、その時の3年生を公に「彼女」にして、そのまま卒業した。
私には、ごめんね、と謝ってくれ、なぜかそう悲しくもなかった私は、卒業しても頑張ってください、と言う余裕すらあった。
『ほんとに好きな人、見つけなね』
先輩はそう言って、元気づけるように頭をなでてくれた。
ほんとに好きでしたよ、先輩。
でもなんだか、言っても無駄な気がするから、心にしまっておきます。
優しくて勝手な、ヤマト先輩。
都合の悪い「好き」は信じてくれないんですね。
信じないふりをして、突き放して。
それでも拒絶しきれなくて、ちょっとだけ懐に入れてくれたりするんですよね。
そうして遊んでもらっている間に、こっちが大人にならざるを得ない。
これだから、みんながこぞって、彼を守るんだろう。
誰からも愛される、ヤマト先輩。
ヤマト先輩は、人気者。
最初の、あの焼却炉での一件のあと、先輩は何度か一緒に帰ってくれたり、キスをくれたりした。
けれどある日、特に用もなく焼却炉のほうに行ってみると、そこには先輩と、たぶん3年生の女子がいて。
その時、私は残りのふたつの質問を思い出したのだ。
まずはお試しでも、いい?
俺が初めてじゃ、ないよね。
いきなり終わっても、許してくれる?
結局先輩は、その時の3年生を公に「彼女」にして、そのまま卒業した。
私には、ごめんね、と謝ってくれ、なぜかそう悲しくもなかった私は、卒業しても頑張ってください、と言う余裕すらあった。
『ほんとに好きな人、見つけなね』
先輩はそう言って、元気づけるように頭をなでてくれた。
ほんとに好きでしたよ、先輩。
でもなんだか、言っても無駄な気がするから、心にしまっておきます。
優しくて勝手な、ヤマト先輩。
都合の悪い「好き」は信じてくれないんですね。
信じないふりをして、突き放して。
それでも拒絶しきれなくて、ちょっとだけ懐に入れてくれたりするんですよね。
そうして遊んでもらっている間に、こっちが大人にならざるを得ない。
これだから、みんながこぞって、彼を守るんだろう。
誰からも愛される、ヤマト先輩。
ヤマト先輩は、人気者。