許嫁な二人

 続けて、4、5本矢を射ると、仕事が残っているからと
 誉は透と唯をおいて、神社に戻っていった。






   「父から話を聞きました。」



 そう言った唯に透は ”そうか” とだけ答えた。

 一言で話が通じたということは、やはり父に言われたことは
 透も承知していることなのだと唯は思う。



   「突然のことに、驚いてるわ。」

   「まあ、そうだろうな、でも、当然のことをしたまでだ。」

   「当然って、、、。」

   「だって俺たちは、許婚だろう。」



 透の言葉に目をを丸くした。



   「だって、透くんは、、あんなに嫌がっていたじゃない。」

   「ああ、照れくさかったからな、ガキだったんだ。」



 ”ガキ”の一言に、唯が呆れた顔をすると、透はさらに言った。



   「どうしようもないほど、ガキで、大切なものに気づいてなかった。
    でも、今は違う。」
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