許嫁な二人
バス停について、しばらく話がとぎれたと思ったら
良世がつんつんと唯の腕を突っついた。
「ねぇ、、、。」
「何?」
しばらく言いよどんだが、良世は ”瀬戸くんも弓道部なの?”
と聞いてきた。
良世のおもしろい話のおかげで、浮上しかけていた気持ちが
ひゅーっとしぼむ。
「...........うん、そうみたい。」
「ふーん、サッカー部だと思ったのにな。」
「うん、私もそう思った。」
そしてまた、しばらく沈黙が続いた。
その沈黙のカーテンを押し破るように、良世が
「ねえ、唯ちゃん、あの修学旅行の後でさ、、、。」
と話しはじめたところで、バスが角を曲がってやってきた。