許嫁な二人

   「なんかすごいな、この歴史の重みを碓氷さんは
    引き継いでいくんだ。」

   「そんな大げさな、、、。」

   「でも、碓氷さん一人っ子なんでしょ。
    碓氷の血を伝えていけるのは君だけだってことじゃん。」



 それはまあ、、そうだ、と唯は思う。
 
 でも今までそんな風に考えた事はなかった。



   「いずれはそうなるのかな、、。」



 ぽつんと呟くように言った唯に諸井はにっこりと微笑むと



   「大切な事だよ。」



 と言った。



   「弓道もうまいし、碓氷さんは本当に桜下の姫だな。」

   「やだ、私より上手な人はいっぱいいるわ。」

   「瀬戸くんもうまいよね。」



 突然でてきた透の名に、唯は内心びくんとした。



   「俺も小学校からやってたけど、瀬戸くんの名前は結構
    有名だったよ。
    大会でもいつも活躍してたし。」

   「そうなんだ、、、。」
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