許嫁な二人

 ぼそぼそそんな話をしていたら



   「ぼくが何だって?」



 と声がして二人は飛び上がった。



   「先輩!」



 振り返ったそこには、上条が立っていた。



   「持ち出し禁止の弓を持ち出して、何をしているのかな。」



 


 香山先輩が指導していた佐川さんが、香山先輩に何を言われ
 それで、唯と二人で昼休みに何をしていたか、全ては、上条の
 知るところとなってしまった。

 当然、勝手な事をしたとおこられると思っていた唯は
 ”部長の目が行き届いてなかった” と上条に謝られて
 慌てた。



   「先輩は関係ありません。」

   「関係ないはひどいな、これでも部長なんだから、、
    ま、とにかく部内がまとまってくれなければ、これから
    迎える夏期大会に全力を発揮できないよ。
    これは選手であろうがなかろうが関係ない。

    弓道は個人種目だが、チームワークも大切なんだ。」



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