許嫁な二人
ぼんやりその背を眺めていたら、
「瀬戸くん。」
と呼ばれた。
見ると、クラス委員の三枝が立っていた。
「今日の放課後は文化祭の準備なんだけど、、、
昨日言いましたよね。」
「そうだったっけ?」
「そうです、瀬戸くんちっとも協力してないんだから
今日ぐらいはちゃんと参加して下さい。」
「はい、はい。」
調子のいい透の返事に、三枝はちょっと睨むように透を
見たが、何も言わずにくるりと背のむけて去っていった。
(文化祭なんて知ったこっちゃない、、、)
そう胸の内で呟きながら、透はふわぁーと大きな欠伸を一つした。