ゼロの相棒
ガシャーンッ!
薬の瓶が音を立てて床へと落ちる。
しかし、私にはジェノバの病気を治す薬しか目に入っていなかった。
その棚へと一目散に向かう。
手を伸ばし、棚の扉に手をかけた。
その時だった。
ぐいッ!
「!」
髪の毛をぐん、と掴まれた。
「痛……!」
私は、つい声を出す。
「このガキ!商品をめちゃくちゃにしやがって!!毎回毎回懲りないな」
声のする方を見ると、薬屋の主人が
すごい形相で私をギン、と睨んでいる。
その瞬間、私は恐怖を覚えた。
ドン、と床に投げ飛ばされる。
私は勢いよく倒れ、背中を地面に打ち付けられた。
「かはっ……!」
突然のことに息ができない。
「今度こそ逃がさないぞ。このまま奴隷屋に売り飛ばしてやる!」
!
主人の言葉を聞いて胸が鈍い音を立てた。
主人は私の髪の毛を掴む。
ぐいっ、と無理やり体が持ち上げられた。
「銀色の髪に加えて容姿もなかなかだな…この分なら高く売れそうだ」