ゼロの相棒
その時、ふと、私の中に疑問が生まれた。
ゼロにとって、私は相棒として、どう映っているのだろうか。
昼間に聞かれた“相棒”の意味は、どんなつもりで聞いたんだろう?
私は魔法も使えないただの人間だ。
武器を扱えるわけでもないし、
すごく頭がいいわけでもない。
すぐ人に騙されて、ゼロに尻拭いをさせてしまうような人間だ。
私が都市に行きたいと思っていたのは、
単純に見てみたいからというのもあるが
都市に行けば、ゼロのことを知っている人も多いから、
ゼロの旅の目的とかを知れるかもしれないと思ったからでもある。
本人に聞くのが一番手っ取り早いのはわかっているけれど
ゼロは話したくないような雰囲気を出しているから、どうしても聞きづらい。
それに、聞いてしまったら、今までの関係が壊れてしまうような気がして…
要するに、私が傷つくのを恐れているだけなんだろう。