ゼロの相棒
「ゼロ、何かが飛んでいるわ!」
私は子どものように好奇心いっぱいの瞳でゼロを見た。
ゼロは、空を見上げながら私に説明する。
「あれは“ガーディアン”っていう、都市の治安維持部隊。
周りをソリで飛んで、魔族狩りやトラブルがないか、見張ってるんだよ。」
確かに、よく見てみると、サンタさんのようにソリに乗って空を飛んでいる。
おまけに赤い服だ。
唯一違うのは、そのソリを引いているのが、トナカイではなく、翼の生えた小さなドラゴンだというところ。
私がじっと見ていると
ガーディアンと呼ばれる人が乗ったソリが、ものすごいスピードでこちらへ向かってくるのに気がついた。
「…気づかれたか。
見過ぎだ、フィオネ。」
ゼロがふぅ、と息を吐く。