ゼロの相棒
「ゼロのぼっちゃぁぁぁぁぁん!!!」
ソリに乗っていたのは、
小太りで、真っ白のヒゲが生えた小さなおじいさんで
叫びながらこちらへ飛んでくる。
目にも止まらぬ速さだ。
「ぼぼぼ…ぼっちゃん??ゼロ坊ちゃんではありませんか??よくご無事でー!」
おじいさんは息を切らしながらゼロを見つめる。
「坊ちゃんはやめろ、エド。久しぶりだな。」
ゼロがおじいさんをなだめながら言う。
「私は一年前のあの日から、姿を消してしまったゼロぼっちゃ………ゼロ様をずっと探しておりましたよ…!
ありったけの情報網を駆使して、生きていることは知っていましたが…。」
涙を浮かべてゼロを見ていた
エド、と呼ばれたおじいさんが
くるり、と私の方を見て目を丸くした。
「ゼロ様、こちらの女性は?もしや恋人ですか?」
ジンに会った時もそう言われたけど
やっぱり初対面の人にはそう見えるのかしら。
ゼロは首を横に振った。
「違うさ、こいつは俺の相棒だよ。フィオネって言うんだ。」
相棒……。と、おじいさんは私をまじまじと見る。
すると、にこっと笑って頭を下げた。
「初めまして、フィオネ様。ソリの上から失礼します。
私はガーディアンのエドウィンと申します。エド、と気軽にお呼びください。」
つられて私も頭を下げる。
「エド、初めまして!よろしくお願いします!」