ゼロの相棒
私が驚いて見ていると、
みるみるうちに、手のひらの石が光に包まれていく。
すると、数秒後。
手のひらを見ると、石ころだったはずの物体が、小さな花の形をしたブローチに変わっていた。
「これ…おわび。」
少年は私にブローチを差し出す。
え?まさかこの子
魔法を使ったの?
確かに、瞳が輝きだすところは
ゼロやジンにそっくりだった。
だけど、目の前の少年はまだ六歳ぐらいだ。
こんな子どもも魔法を使えるものなんだ!
私は感動しながら少年を見た。
「ありがとう。大切にするわ。」
私の言葉に少年は、にこ、と笑って
そのまま街へと消えてしまった。
…都市って、すごいところなんだな…。
ゼロもあんな感じだったのかな、と
想像してみる。
「あ!ゼロ見失った……。」
辺りを見回しても、それらしき黄金の髪の毛は見当たらなかった。