ゼロの相棒
「ささ、自由に見ていってください!体に負担が少ない魔具もありますよ!」
ジェフは手際よく商品を並べている。
ほうきや杖といった大きめのものから
装飾品のような小さなものまである。
「ジェフ、あの…私、お金を持ってなくて。人を待っているのだけど…。」
申し訳なさそうに私が言うと、ジェフは笑って私を見ながら言った。
「全然大丈夫ですよ!その人が来るまで暇つぶしして行ってください。」
そう言ってくれるなら見ていこうかな…
私はまじまじと商品を眺める。
わぁ…ピアスもあるんだ。
「それは魔法石のついたピアスですよ。
女性に人気ですかね。」
ジェフが隣で説明してくれる。
私も魔法が使えるのか、試してみたいな…
そんなことを考えていると、店の奥から
女性の声が聞こえてきた。
「ジェフ?帰ったの?」
ぱっ、と店の奥から顔を出したのは
薔薇色の瞳に、深い紫色の長い髪の毛を持った女性だった。
綺麗な人だな……。
つい、見惚れていると、どことなく
知っているような気がしてきた。
この人、どこかで見たような………。
「あ、ラグナ!お客が来てるよ!」
ジェフが彼女に答える。