ゼロの相棒
「そういえば、不思議な男の子に会ったわ。このブローチをもらったの。」
私は少年にもらった小さな花のブローチを差し出す。
ゼロはそのブローチをじっと見つめた。
数秒後。
ゼロは、はぁ、と小さくため息をつくと
私に言った。
「これは俺の知ってる魔力じゃないな。
どこか似ているところもあるけど、俺が言っているヤツの魔力じゃない。」
ゼロが言っている人って誰のことだろう?
ここはゼロの故郷だから、会いたくない人ぐらいはいるのかもしれないけど。
私を置いて逃げなくても…。
私が少しいじけていると
ラグナがゼロの方を見ながら言った。
「ゼロ。当分は都市にいるつもりなの?」
ラグナの言葉に、ゼロはすぐに答える。
「あぁ。でも、相棒が見つかったんで、
ここには長居しないで、最果ての丘に行くよ。」
それを聞くと、ラグナの瞳が鈍く光った。
「相棒って……この子が?
どう見たって魔力のない人間よね?」
うっ。
ジンと同じことを言われた。
しかも、ジンの時は、
私を相棒として認めない!
と、いう感じで言われたわけではないが
今回は存在を否定されてる感じだ。
ラグナは私を品定めするように
じろ、と睨む。
それから、ゼロの方を見て言った。