ゼロの相棒
「ゼロ!相棒なら私がなるって言ったじゃない!
私は、ゼロの為ならなんでもやるわ!」
私は、ラグナさんの言葉が胸に刺さった。
ゼロの為なら、なんでも…か。
ラグナさん…。
もしかしてゼロのことを…。
その時、ゼロがラグナに向かって言った。
「お前は相棒にはできないよ。」
!
その場の空気が変わったのを感じた。
ラグナさんの顔からも、ショックが伝わってくる。
いつになく、真剣な顔つきなゼロ。
私も、ジェフも、ゼロの言葉の続きに全神経を集中させる。
「お前は“孤独”じゃないだろ?家族だっているし。
ラグナがいなくなった時、悲しむヤツがたくさんいるから。
相棒にはできないよ。」
!
はっ、とした。
私はゼロに何を期待していたんだろう。
フィオネじゃなきゃダメなんだ、ぐらいの言葉を、無意識に期待してしまっていた自分がいる。
そうよね。
私は“たまたま”、ゼロが出会った人の中で、条件を満たす最初の人だったから。
“たまたま”連れてきてもらえただけで。
もしも、ラグナさんが私と同じ境遇だったら、迷わずラグナさんにしたんだろうな。
私がゼロの相棒になれたのは
本当に運が良かっただけなんだ。