ゼロの相棒
少年の瞳はどんどん光を帯び
かざした手から星のような金色の光が溢れ出した。
店内が光に飲み込まれる。
「な…なにが起こっているの……?」
状況が飲み込めず固まっていると
ふっ、と光が消えた。
その時、主人の手から私の髪の毛がするりと抜ける。
ドサ、と私は床へと崩れ落ちた。
呼吸が落ち着かない。
「大丈夫か?……行くぞ。」
少年は手を差し出す。
その姿は、いつかのジェノバと重なった。
「早く逃げて…!あなたまで捕まっちゃうわ!」
私は主人の方を見る。
しかし主人は石像になったかのようにピクリとも動かない。
「どういうこと……?」
私は主人をまじまじと見つめる。
「少し時間をいじっただけ。早く行くぞ」
時間をいじる?
私は未だに状況を飲み込めずにいたが少年に連れられて店を出た。