ゼロの相棒
カラン、と小さな音と共に、扉が開く。
店の中には、あまりお客さんがいない。
ゴリーもいないようだ。
まだ昼間近いだからだろうか。
店を見渡すと、そこに、見覚えのある茶髪を見つけた。
「あれ?ジェフ?なんでここにいるの?」
私が声をかけると、カウンターに座っていた青年がこちらを振り向いた。
「あれ、フィオネ?奇遇だねー!」
ジェフはニコッと笑って言った。
「ラグナさんのお店に行かなくていいの?」
私が尋ねると、ジェフがカウンターに立っていた女性を見ながら言った。
「俺は十七だから酒は飲まないけど、
いつも店に行く前に、ベルさんと話をしてから行くんだよ。」
ジェフの後に続いて、カウンターの女性が微笑んで私に話しかけた。
「初めてのお客さんよね?私はベル。
この店の主人よ。よろしくね。」