ゼロの相棒
私は、少し低いトーンで言った。
ラグナも、そんな私を見て、答える。
「大丈夫よ。ゼロはたぶん自分から全部話してくれるわ。
旅のことも、自分のことも。
なんたって、フィオネは相棒なんだから。」
ラグナは少しだけ優しい表情を見せた。
しかし、すぐにキリッとした顔に戻る。
「ゼロは、相棒はとても危険なものだと言っていたわ。
……条件も、意味不明だし。
自分と同じ境遇の人となら分かり合えると思っているのかしら。」
確かに、ゼロも天涯孤独の身で、グランさんに預けられて育ってきて
私も同じような境遇だけど…。
わかりあえてるのか、と聞かれたら
それほど自信は無い。
ゼロが、必要以上に心の距離を置いている時もあれば、本心を見せてくれている時もある。
彼は、一定の距離は超えてこない。
いつも、透明な壁を作って、私を一番大事な部分には、触れさせないんだ。