ゼロの相棒
都市の光があまり届かない、森の中だからこそ、感じることのできる感覚だ。
この世界に、ゼロと二人きりになったような気持ちになる。
私は、ゆっくり呼吸をして、空を見ながら言った。
「ゼロ。
……いつ、都市を出るの?」
私の問いに、ゼロは少し黙って
彼も私の方を見ずに答えた。
「……明日には出るか。
この町でやるべきことはやったからな。」
どきん、と胸が鳴った。
明日……。
私は、急に現実に引き戻されたような気持ちになる。
都市を出たら、最果ての丘までの道には小さな町が一つあるだけだとゼロから聞いていた。
私は、旅の終わりを心のどこかで感じていた。
今まで、口には出したことはなかったが
ずっとぐるぐる頭の中で考えていたことがある。
今こそ、聞くべき時だ。
今を逃したら、私は勇気が出ないかもしれない。
私は、覚悟を決めてゼロに尋ねた。
「ゼロ……私は、いつまでゼロと旅をできるの?」