ゼロの相棒
魔奪の魔法
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森を抜けると、そこには夜中にもかかわらず、大勢の住人が街を歩いていた。
やはり、先ほどの魔力の放出が原因だろうか?
「聞いた?ダリシーン王の息子のルーク様が行方不明になったらしいわよ。」
住人たちの話し声が聞こえてくる。
ルークが行方不明?
まさか、リベリオンの策略にはまって、
誘拐されてしまったんじゃ……。
ゼロは、無言で走り続けている。
住人たちの話を聞きつつ、間を縫って走りながら、私たちは、やっと城の近くまでやって来た。
「フィオネ、中心部に入るぞ。
俺から離れるなよ。」
ゼロが走りながら小さく私にささやいた。
私が頷くと、一気にゼロは加速する。
魔法で、私の体もいつも以上に動けるようだ。
まるで、空を走っているように足が地面についている気がしない。
すると、目の前に、ガーディアンの軍隊が現れた。
鉢合わせた!
ゼロは、地面を強く蹴って、私を連れて
空へと舞い上がる。
私たちは飛んだまま、ガーディアンの頭上をさっ、と飛び越えていく。
リベリオンの奴らを追っているみたいで、どうやら、私たちのことは気に留めてないようだ。
このままいけば、逃げ切れるかもしれない
その時だった。